多くの人にとってヨーロッパは憧れの国である。30歳を過ぎるとワーホリが使えなくなるのでその憧れの国に住むことをあきらめてしまうかもしれない。しかし!実はドイツに移住するのはそんなに難しくない。なぜなら日本と条約を結んでいて、日本人は観光客として入ってそのまま帰らずに次のビザを申請できるからだ。これができるのは日本人とアメリカ人だけである。
ここではハンブルクに移住する場合を念頭に年齢に応じたビザの取り方をここで説明しよう。
まず何をするにもこれをやらないと始まらないと言うのがこの2点。
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住民登録証明書(Meldebestätigung)
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保険に入る(ケアコンセプトで大丈夫)
この二つがないとドイツに滞在は不可である。
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住民登録
住民登録できる宿泊先を見つけ、すぐに住民登録をしにいく。Einwohnermeldeamtと名乗る場所で一番近いところをネットで探し予約していく。その際に必要な書類は:
- パスポート
- 大家さんの許可証(Wohnungsgeberbestätigung)
- 念のため家の契約書なども持っていくといい。
- お金も少し取られる。
- 時々家の鍵を見せろと言われる。
この二つが手に入ったら銀行口座を開設しよう。私のオススメはCommerzbankとConsorsbank。基本ドイツで銀行口座を持つと利用料を取られる。若い人やキャンペーン中に申し込むとCommerzbankは無料になる事が多い。Consorsbankはセブン銀行とか楽天銀行のようなオンライン上の銀行だが無料でオンラインバンキングもかなり使いやすい。
この3つが整い、パスポートが6ヶ月以上あるかを確認したら次!
26歳以下
1.オーペアビザ (Au Pair)(1年)
27歳以下
2. 社会奉仕ビザ(Freiwilliges Soziales Jahr)(最長18ヶ月)
30歳以下
3. ワーホリ(Working Holiday)(1年)
31歳以上
- 語学学校ビザ (1年)
- 大学準備ビザ (最大18ヶ月)(大学に行くかもしれない人の為のビザ)
- 大学ビザ (10年間まで更新可能)
- 労働ビザ (5年働いたら永住権をもらえる)
- インターシップ(老人ホームなど)Ausbildung
ビザを申請するために必ず用意する基本書類
- Meldebestätigung (住民票)
- Bank Konto(銀行口座)
- Krankenversicherung(健康保険)
- 滞在目的を証明する物。Bescheinigung (在学証明章)/Arbeitsvertrag(契約書)
- パスポート(有効期限が6ヶ月以上)
- 証明写真 (6ヶ月以内の写真)
- EC Karte 支払う為の銀行のデビッドカード
- 残高証明(目安は月に700€。Verpflichtungserklärung 保証人か銀行の残金を見せる為のKontoauszugか給料明細書など)
日本の親が保証人になってくれれば、残高が少なくてもビザ申請が通る場合がある。その際は親が日本のドイツ大使館まで行って給与明細などを見せたりしなければいけないので少しめんどくさい。またそれではダメと言ってくる人もたまにいる。
注意しないといけない点
- 学生ビザから労働切り替え NG (一旦日本に帰らないといけない)
- 労働ビザから学生ビザの切り替え OK
- 学生ビザからワーホリの切り替え OK
- ワーホリから労働ビザOK
- ワーホリから学生ビザOK
このように一度学生ビザを取ると労働ビザへの切り替えが一旦日本に帰らないとできなくなるのでご注意。長く住む目標をたて、ドイツ語ができないまま来て最短で永住権を取りたいなら最初から労働ビザで5年間いるのが近道。
どこで最初申請すべきか
一番最初のビザ申請には二つのオプションがある。
- ウェルカムセンターでビザを申請する
- 自分の住所の割り当てられている役所アムト(Amt)である外国人局(Ausländerbehörde)で申請する
ウェルカムセンターの方が人が少なく優しいのでそちらで最初に申請し、ずっとそのままそこでビザの更新をし続けることをオススメする。一度でもアムトに行って申請すると2度とウェルカムセンターでのビザの更新ができなくなるのでご注意。
オーペアビザ
25歳まで申請できる住み込みベビーシッタービザ。
メリット:
- 住み込みなので家賃ゼロ
- 小遣いも少ないながらにもらえる
- 1日6時間以内、週に30時間以内の労働
- ドイツ人の家庭でやるならドイツ語が上達する
- 寛大な家族に当たれば語学学校の費用も負担してくれる
- 1年のビザがもらえる
- ドイツの文化を学べる
- 子供がめっちゃ可愛い。
- 出張や旅行についていく場合は旅費も払ってくれる
デメリット
- ドイツ人は外国人の若い子を奴隷のように扱う人もいるので、ちゃんとNOが言えない子はきついかも。
- オーペア家族を探す。(AuPairWorld)
- 契約書を書いてもらう
- Verpflichtungserklärungを書いてもらう。オーペア家族の稼いでいる人(大抵父さん)が外人局までいかなければいけない。
- 基本書類を持っていざ申請!
社会奉仕ビザ (Freiwilliges Soziales Jahr)
このビザを日本人で取った人は見た事がない。おそらく公式の日本語のホームページに載ってないのと、日本人はワーホリが使えてその後労働ビザか学生ビザに切り替える事が多いのでこのビザを使う事がないのであろう。しかし多くの外国人がビザを取得している方法であり日本人でも取れると私は推測する。ただし27歳までと言う年齢制限がある。障害者やお年寄り子供などの世話をするボランティアで6ヶ月から最長18ヶ月までビザが出る。
メリット:
- 保険払ってくれる
- 宿泊先無料
- 360€くらいのお小遣い支給
- 26日の有給がもらえる
- 学生証みたいなのがもらえて色々と安くなる
- 最後に資格証がもらえる。(介護や看護婦になるのにめっちゃ役立つ)
- ドイツ語がめっちゃ上達する
- 仕事の作業着は自分で払う必要なし
- トレーニングなどのコストも負担してくれる
参考リンク>
https://ich-will-fsj.de/was-du-bekommst/bezahlung-und-mehr
https://www.bundes-freiwilligendienst.de/bewerbung/
ワーホリ
31歳になる前の人が申請できて、1年間滞在し働くビザがもらえる。
https://japan.diplo.de/ja-ja/service/wh/957786
日本で申請して来てもよいが、観光ビザで入国し、3ヶ月以内に来てから申請できる。その方が楽で出やすい。日本で申請するとたまに拒否される場合がある。
語学学校ビザ
語学を勉強する為の1年のビザで働けないので貯金が必要になる。
申請方法
- 語学学校を見つける(オススメは安くて質のいいDeutschAcademy)
在学証明証(Bescheinigung)を書いてもらう。
2. ウェルカムセンターでビザ申請 (ウェルカムセンター)
必要な書類
- 6ヶ月以上あるパスポート
- 保険加入証明書(CarecoConcept)
- 住民登録票
大学準備語学学校ビザ
基本1年だが、伸ばす事ができて2年目からは「働きたい」と言えば労働もさせてもらえる。最長18ヶ月まで伸ばす事が可能。
大学ビザ
大学生になればいろんなものが学生割引になり、週に20時間働くこともできる。しかもハンブルクの大学はほぼ無料に等しい。外国人であっても。これはかなり異例なことだ。ニュージーランドでは日本人学生の学費が他の生徒より高かった。
日本と違って特に受験のようなものはなく、最後の就業過程がドイツのスクールカリキュラムの高校卒業・大学入学資格試験(Abiture)に当たるかが問題になってくる。日本の高校卒業では足りないのだ。なので大学は卒業していなくてもいいので数年間行っている必要がある。もし足りなければ大学で外国人生徒の為の準備コースがあり、それに参加することで大学入学の資格が得れる。ドイツの大学で入学時に一番難しいのはドイツ語のテストである。大学によってはB2でも大丈夫だが大抵TestDAFかTelc C1が必要であり、これがかなりの壁となる。入ってからも猛勉強する必要がある。詳しくはドイツの大学の授業をご覧あれ。
労働ビザ
基本書類➕契約書で申請可能。ただし家賃プラス700€くらいの手取りがないと給料が少なすぎると言われ却下される。5年頑張って働けば永住ビザがもらえるが、同じ仕事に3年以上ついてはいけないやら飲食店は何ヶ月までしかダメやら少し条件がある。
インターシップ
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Paktikom
3週間くらいただ働きで職業を学ぶ
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Ausbildung (職業訓練学校)
半分は現場で実践、半分は学校で理論を学びながら少しの給料をもらいその職業の資格を取る事ができる。気に入ってもらえれば職業訓練をしてくれた会社にそのまま採用されるチャンスもある。しかし外国人は全ての職業訓練ができるわけではない。一番簡単に申請できるのは介護の職業訓練。介護だけの資格なら1、2年で取れるがそのまま3年間やれば看護婦さんになる資格ももらえる。
参考になるリンク>https://www.make-it-in-germany.com/de/visum/arten/arbeiten-fachkraefte/
ここまででドイツに移住することはそんなにハードルが高いことではない事がわかってもらえただろう。難しいのはビザや住む権利を獲得する事ではなく、日本と全く違う文化やコミュニケーションの中に揉まれて生きる事だ。きっと海外に住んだ人なら少なくとも二つに分かれるだろう。
「やっぱり日本が心地いいわあ」
という人と
「ヨーロッパの方が住みやすい」
と思う人。
「日本の社会でやってけない人が海外に行く」
という意見を耳にした事がある。
海外に住んで15年以上の私から言わせてもらうと、どこの国が心地よく感じるかはあなたがどういうタイプの人間でどんな物を好むかによる。
例えで言うと、あなたがモナリザの絵なら茶室に飾ってもそれほど輝かない。
あなたが北斎の浮世絵ならルーブル美術館に身を置くことに違和感を覚える。
ただこれだけの話である。
ドイツに中国や日本の陶器に感動し、城の部屋中にアジアの陶器の皿や壺を飾った伯爵がいた。その城は見た目は洋風の典型的なおとぎの国の城なのだが中に入ると青花が壁中を埋め尽くしている。
正直日本から来た私にとっては雰囲気ぶち壊しだった。
一つ一つの青花は価値ある物で美しいのだが、やはり洋風の城には洋風の物で埋め尽くして欲しいと思わざるを得なかった。
きっとフランス人が日本に茶室を見に来たのに、そこにモナリザの絵が飾ってあるなら
「浮世絵を飾って欲しかった」と思うだろう。
それと同じ気持ちである。
日本では輝けない人が海外に行って花を咲かすことはよくある。
独創的で自分のやりたい事がいつも明確にわかってる人は日本では協調性のない人、海外ではクールな人材とみなされ、
みんなと同じことをしていることで安心する人は日本では協調性のある空気の読める人としてみなされ、海外ではつまらない人とみなされるかもしれない。
どちらがいい悪いの問題ではないが、どちらの文化を知ることでバランスのとれた見方ができる助けになるには間違いない。
まだ完璧には書いていないのだが目が疲れたのでここで終了させてもらう。質問があればコメントして頂きたい。では。