『サラエボの女』 by イヴォ・アンドリッチ

 


サラエボの女

最近いろんなYoutuberなどがビジネスや啓発本などを紹介している。でも複数の人たちが同じ本を紹介している。だから私はあえておそらく現代人が古本屋でしか手に入らないような、言わばホコリをかぶったダイヤモンドのようなユーゴスラビア文学を掘り起こし、皆さんに紹介したい。

ユーゴスラビア文学で一番有名な作家はIvo Andrić(イヴォ・アンドリッチ)でノーベル文学賞も取っている。彼はノーベル文学賞でもらったお金を1円も使わず、ボスニア国民が本を読まないことを嘆き、そのお金でボスニアに図書館を建てた。彼は第二次世界大戦の時代に外交官をしており、ドイツと同盟を組むことにサインした人であった。彼の人生は偶然生まれた家族の血筋、国、生きた時代などに翻弄される波乱万丈の人生であった。どうあがいても幸せになることのできない個々の人間の葛藤と心理を深く追求した人である。

大学でこの本をテーマに講義があった。

これめっちゃ古い本で所々漢字が読めず、国語辞典に世話になることも多かったが、
内容はとても興味深い。

あるケチな女性の話であるが人間の弱さや強さ、万人に通づる心理学が描かれていると同時にあの時代のユーゴスラビアの状況が手に取るようにうかがえる。多少ユーゴラビアの歴史を学んでからの方が色々と理解しやすく楽しく読めると思う。

この本の主人公ライカはバルカン半島の国民にとって超あり得ない生活スタイルをし、
ヨーロッパ人にしてみたら悲惨な人生スタイルであるが、
日本人の私が読んだ最初の感想は

「これうちのお父さんじゃん」

である。

ちなみにうちのお父さんはケチではない。でもすごくお金を使うのを極端に嫌がり、極端にセーブすることろがすごく似ていた。でもうちのお父さんが決して不幸な人間でないのを知っていた故に、主人公ライカを通して著者が言いたいことが私にはすぐわかり、
私はこのセミナーの授業でかなり面白いプレゼンをし教授に褒めらた。

著者のアンドリッチの人生がシンボリックに隠され、彼の人生と比べてその隠された秘密を紐解くのもおもしろい。

人間の兆候は何年経っても変わらない。

誰もが愛されたいと願う。誰もが誰かを信じ、裏切られ、間違った決定をし、後悔し、それを繰り返して生きていく。

だからこんなに古い本でも今の時代生きている私たちが読んでも興味深いのだ。

間違った決定をしているように見えるライカだが、自分らと彼女と何が違うのかと問われれば答えはそれほどないことに気づく。

癒しのバルカン音楽もご覧ください。

 

 

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。